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特 集 |
この、「犬との共生に必要なマナー・家庭犬のしつけ方」は1〜10までをシリーズで載せていきます。 |
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愛犬家や犬の取り扱い者は、その本能習性を十分に理解し認識したうえで、犬に対応していかなくてはならないと思います。 |
私は沢山の愛犬家の方から、様々な相談を受けますが、多くの方がご自分の犬に対して、擬人化した物の考え方で、犬に対応している愛犬家の方が、非常に多くおられます。擬人化した対応というものは、犬の本能、習性を理解せず無視していると同じことなのだと思います。それでは飼い主さんと犬との良い関係を築けるわけがありません。擬人化した対応を続けることが、多くの犬の問題行動の発生原因にもなっているのです。 |
気質の強い犬ほど先取り意識が強く、すぐにのぼせ上がったり、図に乗ったりするタイプで、自身の順位性や支配性を発揮し、それを誇示しようとします。先天的に成犬になっても、ペコペコするタイプの犬も少なくありません。鼠径部呈示(仰向けにひっくりかえり腹を見せ無抵抗服従を表現する)は、子犬の時に身につける自己防衛術であり、成犬になってもする犬がいますが、幼形成熟ともいいます。 |
犬が家庭内を仕切り、ボスとして君臨するようになると、様々な問題行動の発生となり、このような状態を権勢症候群といいます。問題行動を起こす犬の原因は、大部分が飼い主が犬の従属者として、犬の言いなりに対応し、尽くしあげた結果なのですが、尽くしても尽くしても、犬は恩義を感じないのです。何故ならば、犬が飼い主よりも優位な位置にいれば、犬にしてみれば下位の者が上位の者に忠誠を尽くすのが当たり前なのです。 |
![]() 画 ゆーちみえこ |
愛犬家の奥様からよく聞く話ですが、「家の犬は主人の言うことはよく聞くのですが私の言うことは全然聞かないのです」と困っておられる家庭が多いようですが、なぜそうなるのか?といいますと、犬との接触時間が少ない旦那様は、犬に従属的な対応をとらないのです。その反対に奥様は、一日、お家で長い接触時間を持ち、犬の面倒をせっせとみるわけです。食餌を与えたり散歩に出たり、その対応が従属的で、犬の言いなりになってしまうからで、結果的に、旦那様がボスNO.1、犬がNO.2、奥様がNO.3と、犬の勝手な順位決めでその家庭内の階級制度が確立してしまうのです。 |
【掲載は1999年(社)日本動物愛護協会の発行誌「動物たち」からを承認を得て掲載したものです】 (筆者 PD公認一等訓練士 藤井 聡) |
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