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特 集 |
この、「犬との共生に必要なマナー・家庭犬のしつけ方」は1〜10までをシリーズで載せていきます。 |
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そして、この散歩に関わる問題行動が非常に多いのも事実です。犬を飼わない方も、飼いはじめた方も、必ず考えることが、朝夕時間を決めて規則正しく「散歩に犬を連れ出さなくては可哀相」とか「散歩させないとストレスが溜まるでしょう」などと言って、犬を飼うことに義務感を持ち、せっせと犬に尽くすのです。犬に対する愛情が義務感と勘違いされているケースが多いようです。又、散歩をトイレを兼ねる方が多く、トイレは散歩でさせるもの、と思われている方も多くいらっしゃいます。いずれにしても散歩とトイレを切り離して考えなくてはいけません。なぜならば、トイレは散歩でするとなると、散歩に行かないとトイレをしない習慣が身につきます、そうなると、雨の日も雪の日も一年三六五日、朝夕二回、規則正しく義務的に、犬に尽くしてしまう結果になってしまうのです。 |
犬が要求しないことで従属的になり、その分、飼い主さんが優位的になれるということなのです。 |
![]() 散歩の時間を毎日変える |
リードを付けて散歩に出るという行動は、犬にとって群れが移動することなのです。群れの移動はリーダーであるボスが先頭を歩き、行き先を決めるのもボスなのです。それなのに、犬ばかりが、このような散歩の仕方を続けることにより、継続は力なりと権勢本能が徐々に成り上がるのです。先頭を歩き続けた成り上がりのお上りさんは、行き交う他の犬たちに吠えまくり、それを制御できない飼い主さんに対し、犬は保護者的意識を強く発揮するようになり、さらに、強く吠えまくるのです。このような状態が続くと今度は、他の犬に対し攻撃行動に出るようになり、完全な権勢症候群の犬が出来上がるのです。群れの移動中、他の群れの犬が接近すると「どけどけ、ここは俺の縄張りだ」と吠えまくり威嚇するのです。 |
私は日頃、愛犬家の方々からいろいろな相談を受けますが、その中で、一番多いのが飼い主さん自身が怪我をされてしまうことです。犬に引きずられ転倒し骨折、肩を脱臼、手首の腱鞘炎などなど、飼い主さんが犬にこんなに痛く辛い思いをさせられても、犬は飼い主さんに申し訳ないことをしてしまった、「ごめんなさい」とは思わないのです。犬に反省を求めても無駄なことなのです。 |
【掲載は1999年(社)日本動物愛護協会の発行誌「動物たち」からを承認を得て掲載したものです】 (筆者 PD公認一等訓練士 藤井 聡) |
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