警察犬協会指定犬種

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警察犬協会指定犬種
ゴールデン・リトリーバー

ゴールデン・リトリーバー

ゴールデン・リトリーバー

ゴールデンリトリーバー

【原産地】 イギリス
【起源】  狩猟がスポーツとして盛んであった19世紀のスコットランドで、狩猟家のトゥイードマウス卿が、鳥猟犬の中から水辺で撃ち落した獲物を回収する目的のウォーターリトリーバーの作出に向け、ウィビーコーテッドリトリーバー、クィードウォータースパニエル、その他セター、ハウンド等の同系異犬種の交配の繰り返しにより誕生したといわれています。  1931年にKCに登録されてから今日まで、頭脳明晰で忍耐強く、明朗温和、活発な性格が広く愛犬家の心をつかんでいます。  アメリカに渡ってからは、洗練度の高い優美な容姿、また陽気で従順な性格に改良され、わが国の愛犬家にも好ましく受け入れられています。持ち合わせた作業能力、意欲を充分発揮し優れた嗅覚力で、使役犬として素晴らしいものをもっています。
【体高】 牡・56~61㎝  牝・51~57㎝
【体構比】 11対12
【言語性別】 牡(Male)・牝(Female)

ゴールデン・リトリーバー スタンダード(標準書)

【一般的外貌】 均整のとれた力強い行動的な犬で、健全で、よくまとまっており、不体裁でも四肢が長くもなく優しい表情で、熱心で、機敏で、自信のある性格である。 第一に、猟犬として厳しい作業条件に耐えられる様子が表現されているべきである。全体の外観、バランス、歩様、そして目的に、他の構成部分よりもより力点が置かれる。
【頭部】 スカルは広く、僅かに横に、そして縦にアーチし、前方の骨(額)あるいは後頭部の骨に突出は無い。ストップは明瞭であるが、急峻ではない。 前頭部は深く、広く、スカルにほぼ近い長さである。マズルは側望したとき真直で滑らかに、そして力強く頭蓋につながっていく。 側方あるいは上方から見たとき、ストップの部分は先端の部分よりやや深く、そしてやや広い。フルーズ(上唇の垂れ下がり)は重くない。 頬ひげの除去は許されるが好ましくない。
【目】 友好的で知的な表情で、大きさは中位で、暗色のぴったりついた縁をしており、よく離れて付き、眼窩にほどよい深さで収まる。色は濃い褐色が望ましく、普通の茶色も許される。 斜めの目そして細いもの、三角形の目は正確な表現からはずれ、欠点とされるべきである。正面から見たとき、白眼または瞬膜は見えない。目蓋や、まつげに機能上の異常が明白なのはリンクから遠慮してもらうべきである。
【歯】 シーザス・バイトつまり下側の切歯の外側が上側の切歯の内側に接する。アンダーショットまたはオーバーショットの咬合は失格である。歯のミスアライメント(切歯の置かれ方の不規則なこと)またはレベル・バイト(切歯の先端と先端が接すること)は望ましくない。しかしアンダーショットまたはオーバーショットを混同させてはならない。完全な歯列、明らかな欠歯は重大欠点である。
【鼻】 黒または茶がかった黒、しかし寒冷な気候で色が淡くなるのは重大ではない。ピンクの鼻或いは色素を相当に欠いているものは欠陥となる。
【耳】 どちらかというと短い方で、その前の縁は充分後ろ側、そして丁度目の上方に付き、そして頬にそって垂れる。前方に引っ張ったとき耳の先端は丁度目を被うべきである。低いハウンドのような耳付きは欠点とされる。
【頸】 中位の長さで、よく寝た肩に徐々に滑らかに続いている。頑丈な筋肉のよくついた外観を呈する。自然なラフ(頸の周囲や肩に伸びた長い毛)はトリムされない。スローティネス(喉下の皮膚の垂み)は無い。
【頸】 すっきりして、逞しく、力強い。両肩に正しくついている。
【解説】 首は猪首でなく、すっきりとして逞しく、筋肉も強靭であることで、重い猟鳥をくわえた頭部を支える首は弱々しかったり、細長くなく、中位の長さであって、下垂したデュラップもないことである。
【胴】 よく均整がとれ、ショート・カップルド(最後の肋骨から臀部までの距離の短いこと)で、胸は深い。前肢の間の胸は、少なくとも親指を含め指を閉じた人間の手と同じ幅になり前胸はよく発達している。肋骨は長く、よく張っているが樽形ではなく、後躯の方へよく広がっている。 腰部は短く、筋肉がよくつき広く深い。かなり僅かだが上がっている。背線は力強く、キ甲から僅かに傾斜している尻部まで水平で、それは立っているときも動いているときも変わらない。扁平肋、狭い胸、過度に巻き上がっているもの。平坦な或いは急峻な尻(斜尻)は欠点とされる。
【前躯】 力強く、後躯とよく調和し、自由な動きを可能にする。肩甲骨は長くよく後方に寝て、その(双方の)上端はキ甲部分でかなり接近している。上腕は肩甲骨と大体同じ長さに見え、肘は肩のすぐ下に位置し、肋骨にたるみなく接している。肢は前望すると丈夫な骨が真直ぐであるが、粗雑な感じはない。前繋は短く、力強く僅かに傾斜しているが、ひよわさをみせることはない。
【後躯】 広く、筋肉は力強い。側望すると尻はゆるやかに傾斜している。骨盤の骨はやや大きな角度(水平角でほぼ30度)で傾斜する。自然な立姿では、大腿骨は寛骨にほぼ90度の角度で合する。膝関節はよく曲がっている。飛節はよく降り、後繋は短く力強い。カウ・ホック、スプレッド・ホック(広がった)、スティックル・ホック(鎌状)は欠点とされる。
【趾】 中位の大きさで、丸くコンパクトで、十分に曲がっている。パッドは厚い。過度の量の毛は、ショーの際に自然な大きさと輪郭にトリムされてもよい。前肢のデュークロー(狼爪)は除去されてよい。しかし通常はそのままにされる。拡趾あるいは兎趾は欠点とされる。
【尾】 よく付き、基部では厚く筋肉がよくつく。尻の自然なラインを沿う。尾骨は飛節にまで達するが、それより下には行かない。快活な動きで保持し、水平或いはちょっとしたほどよい上方へのカーブで、けっして背中に背負ったり、肢の間に巻いたりはしない。
【被毛】 密で十分な下毛により水をはじく。上毛はかたく、弾力があり、粗くも絹状でもなく、胴に沿って横たわる。真直か或いはウェーブする。後肢の後ろ側及び体の下側に中位の飾り毛があり、頸の前方、腿の後ろ、尾の下側にはより厚い飾り毛がある。頭部、趾部、四肢の前部のコートは短く均一である。過度に長いもの、コートの疎なもの、そしてしなやかな柔らかいコートは極めて好ましくない。足はトリムされてよい。飛び出した毛はきれいにされてよい。しかし、自然な外観が、カッティングまたはクリピィングによって変えられてはならない。
【毛色】 さまざまな濃度の豊かな潤沢なゴールデン。飾り毛は他の部分より淡い。年老いると共に顔或いは胴が灰色がかるか、白っぽくなる場合は別として、胸の僅かな白毛以外のあらゆる白斑はその広がりに応じて減点される。許される範囲の淡い色のものと、白斑と混同されてはならない。胴の優勢な色が極端に薄かったり、極端に濃かったりするものは好ましくない。仔犬については、淡い色のものは、いくらか寛容にみるべきである。それは成犬になれば濃くなっていくだろうから。黒または全く他の色と違った色のはっきりした部分のあるものは重大欠点となる。
【歩様】 トロット時、歩様は束縛されず滑らかで力強く、よく運動し、十分なリーチをみせる。どんな点から見ても四肢が内向したり、外向したり、肢がクロスしたり、互いに邪魔したりすることはない。スピードが増すにつれ肢は(全体の)平均の中心線の方へ集まる傾向がある。真正な歩様が反映されるよう、犬のリードはゆるくして見せることをおすすめする。
【サイズ】 牡は体高56cm~61cm、牝は51cm~57cmである。標準の範囲より上下2.5cmまでのものは、その度合いにより減点される。2.5cmを超えるものは失格とされる。胸骨端から坐骨端までの長さは、体高よりやや大きく、その割合いは11対12である。牡の体重は29.5~34kg、牝は25~29.5kg。
【気質】 友好的で、頼りになり、信頼感がある。普通の状態で、他の犬或いは人間に対して喧嘩したり、敵対心を見せたり、臆病な或いは神経質な保証のないそぶりを見せたりすることは、ゴールデン・リトリーバーの性格とは異なるものである。そのような行動は、その重要性により減点されねばならない。
【欠点】
理想として描かれているものからはずれるものは、いかなるものでも、その度合いにより、この犬種の目的を妨害し、或いは犬種の性格に反するものとして、欠点とみなされねばならない。
【失格】
1.標準の範囲から上下2.5cmを超える体高。
2.アンダーショット、オーバーショット。